「隣に家が建って日が当たらなくなった」とお悩みではないですか?
住宅での住み心地に大きな影響を与える日当たりですが、その日当たりに関するトラブルで多いのが、「隣に家が建つことによる日当たりの急激な変化」です。
ですが、他人の敷地ですので、日当たりが悪くなるから建物を建てないでほしい、という要望やクレームはほとんど通りません。
そのため、新築時には隣に家が建つ場合でも日当たりが悪くならない住宅にする必要があります。
また実際に建ってしまった場合には、日当たりを考えたリフォームを行うことで、日当たりが改善されることもあります。
今回は最も日当たりが欲しいとされますリビングを例にして、周辺環境による日当たりの悪さの影響を受けにくい住宅の間取りをご紹介します。
日当たりに関する悩みの多くは、隣に家が建つ(建った)ことが原因!
日当たりの悪い土地に住宅を建てた方は、実はそれほど日当たりに関するお悩みを抱えてはいません。
事前に日当たりが悪いことがわかっていますので、日当たりを考慮して住宅を設計するからです。
周辺条件がわかれば、日当たりシミュレーションという手法によって計算することもできます。
日当たりに関するお悩みの方の多くが、隣に家が新しく建つことで、日当たりが悪くなって暗くなってしまうことによるものです。
それは、日当たりが良好で明るいお部屋で生活していたイメージがあることで、そのギャップから、暗さをより意識してしまうことが原因です。
直射光を取り込みやすく日当たりが良好とされる南側の方角に隣家が建つ場合には、日当たりの変化はより顕著になります。
隣に建つ住宅の設計に対して、その住宅の方に要望や苦情を伝えていらっしゃる方もおられますが、残念ながらほとんど意味はありません。
というのも、隣に建つ家も建築確認がなされた設計で建築されているため、法的には何の問題もないからです。
周囲に気を使う方であれば、窓の位置や壁の距離など多少の配慮はしてもらえるかもしれません。
しかし、隣の家の建て主にも希望の間取りや予算がありますので、要望が全て叶うことはまずないでしょう。
日当たりで困らないために、隣に家が建つことを想定しましょう
20年、30年と住み続ける住宅では、お住まいの周辺状況も変化すると想定しておく必要があります。
具体的には、3階建ての住宅が南側や東側、西側に境界線から近い距離で建ってしまう、などです。
いまの時点で、隣の敷地が駐車場や空き地であったり、平屋などの比較的低い建物が建っていたとしても、将来的には3階建ての建物が敷地ぎりぎりまで接近して建てられる可能性はあります。
分譲地で新しく開発される区画の土地であれば、1~2年で隣に家が建つことあります。
リフォームをするにしても結構なお金がかかりますし、新築後すぐの家を大きく変えるのもためらわれます。
もちろん、周辺環境が変わらないことも大いにありえます。
ですが、将来的な日当たりのリスクを考えると、周辺環境の変化によって日当たりが悪くなっても、暗くなりにくい住宅にしておくことをお勧めします。
隣家で日当たりが変化しても暗くなりにくい住宅の間取りとは?
隣に家が建った時に、暗くなった、と最も感じる部屋はリビングです。
リビングは最も過ごす時間が長く、1階南側にリビングを持ってくる間取りが多いため、特に大きく影響を受けます。
今回はリビングについて、1階南側の間取りと比較して、隣に家が建つなどの理由によって日当たりが変化しても暗くなりにくい間取りをご紹介します。
2階リビングの間取り
2階リビングとは、1階に配置することの多いリビングを2階にすることで、隣の建物の陰になりにくくする間取りです。
隣の建物が2階建の高さで、ある程度距離が離れていれば、日当たりは十分に確保できます。条件次第でリビングからの見晴らしが良い、ということもメリットの一つです。
デメリットは、家に入って必ず階段を上がらなければならないこと、キッチンで水漏れが起こった時に被害が大きくなり修理が大変なこと、などがあげられます。
ただし、3階建ての住宅が密集した地域ですと、2階リビングにしても日当たりが良くない場合もあります。周辺環境をよく確認し、窓を設ける方角などには注意が必要です。
2階リビングについては、こちらの記事もご参考ください。
吹き抜けのリビングの間取り
吹き抜けのリビングとは、リビングの上の階をなくして、2階分の天井高さをもった空間にする間取りです。
お部屋を吹き抜けにすることで、縦に窓を大きく、たくさん配置できます。2階建て住宅であれば、リビングが屋根に接していますので、より日当たりの良い天窓も設置できて効果的です。
日当たりが良くなることに加えて、天井が高くて開放的な空間をつくれる、ということも大きなメリットです。
デメリットとしては、2階の床がなくなり居住スペースが減少すること、柱や床の減少による強度低下を考慮した構造設計を必要とすること、などがあげられます。
吹き抜けのリビングでは、隣に家が建ったとき、日当たりはそれほど変わらなくても、正面に家があるという圧迫感を感じることもあるので注意が必要です。
1階部分ではなく、より高い位置からの光の取り込みを中心に設計するとよいでしょう。
吹き抜けのリビングについては、こちらの記事もご参考ください。
北側リビングの間取り
北側リビングは、南側に作ることの多いリビングを北側へ配置する間取りです。
北側リビングでは、太陽の直射光はほとんど入りませんが、上手に窓を配置することで、暗い印象を受けない住宅を作ることはできます。
南側に家が建つ場合でも、太陽の直射光はほとんど使っていませんので、日当たりに影響しません。
北側の隣家と目線があってしまうことには注意が必要ですが、北側に家が建つ家は南側を開けるように作ることが多いため、塀などで十分に遮ることができます。
少し採用するのに勇気が必要ですが、隣に家が建つ可能性が高いのであれば、事前にシミュレーション等で明るさを検討して、取り入れてみる価値はあります。
北側リビングについては、こちらの記事もご参考ください。
「光ダクト」のあるリビングの間取り
日当たりのよい窓から入る光を、その窓に面していない部屋まで届ける「光ダクト」という製品があります。
「光ダクト」は、内面が鏡状の筒のような構造をしています。「光ダクト」を利用することで、窓から離れた距離にある部屋まで光を届けるのです。
具体的な一例を紹介します。
日当たりの悪い窓がある1Fのリビングに対して、天窓のような日当たりのよい窓に入る光を「光ダクト」を通じて利用し、明るくすることが可能です。
吹き抜けリビングに構造としては似ていますが、吹き抜けと違い2階全ての床がなくなるわけではないため、より広く住宅を利用できる間取りとなります。
デメリットとしては、2F部分に「光ダクト」の設置場所が必要のため、わずかに居住スペースの減少を生じます。
また、通常の窓とは異なり、外の景色は見えにくいため、眺望や景色を楽しむためには少し工夫が必要になります。
「光ダクト」はまだあまり知名度は低いですが、他の方法に比べるとデメリットが少なく、南の方角に隣家が建つことによる日当たりの変化も小さくなるため、最もリーズナブルに利用できます。
隣りに家が建って日が当たらなくなってしまったら!?
光ダクトを使ったリフォームがおすすめです。
光ダクトを上手に設計することで、間取りを大きく変える必要がなく、リフォーム箇所が少ないので費用が安くすみます。
また、鋼鈑商事の『どこでも光窓』では、工事契約前に事前にシミュレーションすることで明るさを可視化して効果を検討できます。
費用は無料ですので、お気軽にご相談ください。
戸建住宅では、住み続けるとどうしても不具合が生じてしまいますので、10年、20年、30年といった節目でのメンテナンスが推奨されています。
屋根のリフォームや家族構成の変化によるリノベーションのタイミングで光ダクトを使った日当たりの改善も検討してみてはいかがでしょうか。
日当たりの改善をご検討の方は、鋼鈑商事の「どこでも光窓 導入提案サービス」もご参考ください。
まとめ
長く使うことになる住宅ですので、周辺環境の変化は必ず起こると考える方が無難です。
隣に家が建つことで日当たりが悪くなる、ということを想定しておくことで、その変化を小さくするような間取りの住宅を作ることができます。
日当たりが変化しにくいリビングの作り方
2階リビング
吹き抜けのリビング
北側リビング
「光ダクト」のあるリビング
新築で住宅購入を考えている方は、2Fリビング、吹き抜けリビング、北側リビング、光ダクトといった構造を取り入れ、将来的な日当たりの変化に備えましょう。
すでに隣に家が建ってしまったという方は、光ダクトなどを利用したりフォームも検討してみてはいかがでしょうか。