戸建住宅を考えて土地をお探しの方で、「どのような土地がいいのだろうか」とお悩みではないでしょうか?
不動産の土地情報によく記載のある「角地」は、土地を選ぶ一つのポイントです。
いくつかある角地のメリットの一つは、日当たりの良さですが、すべての角地が日当たりの良い土地というわけではありません。
角地を検討している方へ、それぞれの方角の角地についての日当たりと、角地でも日当たりが悪くなる場合の注意点をご説明します。
角地(かどち)とは?
「角地(かどち)」とは、隣り合う2辺が道路に面している土地のことです。
土地の多くは1辺のみが道路に面していますが、角地は2辺を道路に面した立地で、特殊な形状の土地に分類されます。
土地価格が割高になる印象がありますが、それは角地に多くのメリットがあり人気だからです。
角地のメリットとしては、風通しが良かったり、開放感がある、などがあります。
また、条件によっては建蔽率 (けんぺいりつ)の緩和によって、同じ面積の整形地などよりも少し広い家を建てられる場合もあります。
さらに、角地には日当たりがよいという大きなメリットがあります。
角地の日当たりが良い理由について解説します。
なぜ、角地は日当たりがよい、と言われるのか?
通常、隣の建物に隣接していると、太陽光が入りにくくなるため、暗くなりがちです。
角地では、2面は道路があるため、建物に隣接していない窓を多く作ることが可能となります。
そのため、通常の敷地よりも太陽光が多く入りやすくなり、日当たりがよいとされるのです。
しかし、隣接している面もあり、どの時間でも日当たりがよい、ということはありませんので注意が必要です。
また同じ角地でも、「南東角地」「南西角地」「北東角地」「北西角地」と大きく4種類あり、それぞれで日当たりの傾向は異なります。
住宅を建ててから日当たりで後悔しないために、それぞれの角地での日当たりの傾向を理解しておく必要があります。
角地の方位の違いで、日当たりはどう変わる?
南東角地の日当たり
南東角地とは、土地の南側と東側が道路に面している角地です。
朝日が差し込みやすく、日中も日当たりが良好です。
夕方は西側に隣接する家によって日差しが遮られ、西日は入りにくくなります。
日当たりに関しては理想的な土地のため、ほかの角地と比べても土地価格が最も高い傾向にあります。
南西角地の日当たり
南西角地とは、土地の南側と西側が道路に面している角地です。
昼ごろから夕方にかけて日当たりが良好になります。
朝方は東側の建物によって日差しが遮られるため、直射光は入りにくくなります。
日当たりに関しては条件が非常に良いですが、夏場の西日などで暑くなりがちなため注意が必要です。
北東角地の日当たり
北東角地は、土地の北側と東側が道路に面している角地です。
東側に建物がありませんので、朝方は太陽光が差し込みやすい立地です。
南側に建物があると、日中に直射光が入りにくくなります。
土地に余裕があれば、南側を隣家から距離を取ると日当たりは良くなり、夕方も太陽光は遮られて西日の厳しさも緩和されます。
直射光ではありませんが、日中は北側の道路を挟んで向かいの家で太陽光の反射光があり、北側も暗くならない場合もあります。
天空光や反射光を加味して北側の窓をうまく使うと、直射光が入りにくくても明るくすることも可能です。
北西角地の日当たり
北西角地とは、土地の北側と東側が道路に面している角地です。
朝日や日中も光が入りにくく、西日は入りやすくなりますので、日当たりには難のある土地です。
北東角地と同様に、日当たりを確保するために北側や隣地との距離をはなすなどの工夫が必要になります。
北東角地や北西角地は、日当たりが悪いとされて人気がなく、価格も比較的安いため、比較的よく見かけられる土地です。
直射光が得られることが必ずしも良いとも言えませんので、建物や生活スタイルと合わせて考えてみましょう。
角地でも日当たりが悪い場合とは?
道路に面している方位によって、日当たりの良い時間があることは説明しましたが、それ以外でも日当たりが悪くなる場合があります。
例えば、道幅がそれほど広くない場合です。
道路が狭く、道路を挟んで向かい側に3階建の家があると、冬場などは思ったよりも日差しが遮られてしまいます。
また、東側や西側は、少し離れたところにある高い建物にも注意が必要です。
朝方や夕方は、昼頃と比べて太陽の高度が低くなりますので、離れた建物の影も伸びてきます。
南東角地や南西角地だから日当たりがよい、と決めてかかると思ったよりも明るくなく、新築して住みはじめてからがっかりすることもあります。
逆に、日当たりについて事前にしっかりと確認して、土地に合わせた住宅設計ができれば、日当たりの悪い土地でも明るくできます。
北東角地や北西角地でも、日当たりをあきらめることは全くありません。
さらに日当たりの悪い土地とされる「旗竿地(はたざおち)」でも、光ダクトといわれる製品によって明るい注文住宅を実現もできます。
土地だけで考えるのではなく、住宅も合わせて考えることで、よりリーズナブルに住みやすい住宅を建てられます。
土地探しの際は、工務店やハウスメーカーなどの住宅会社に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
日当たりがいいなどのさまざまなメリットのある角地ですが、立地の状況によっては、必ずしも日当たりがよくて明るい住宅になるわけではありません。
しっかりと土地の条件を理解して、住宅も合わせて考えることで、理想の住まいを実現させましょう。