
家の日当たりがよい方角とは? 方角別のメリット・デメリット
一般的にいわれる、“日当たりがよい家の条件”の一つが、南向きの立地です。しかし、方角ごとに日当たりのメリット・デメリットが異なります。
これから新築やリフォームなどをお考えの方は、方角と日当たりの特徴について知っておくことで、事業者に具体的な要望を伝えやすくなります。
この記事では、方角による日当たりのメリット・デメリットについて解説します。
目次[非表示]
- 1.【方角別】日当たりのメリット・デメリット
- 1.1.南向きの家の日当たり
- 1.2.東向きの家の日当たり
- 1.3.西向きの家の日当たり
- 1.4.北向きの家の日当たり
- 2.日当たりを改善するポイント
- 2.1.①部屋を明るくしたい場合
- 2.2.②直射日光を和らげたい場合
- 3.周辺環境や間取りも日当たりに影響する
- 4.まとめ
【方角別】日当たりのメリット・デメリット
南向きが日当たりのよい家の条件とされていますが、ライフスタイルや求める条件によって、適した方角は異なります。ここでは、方角別のメリット・デメリットをご紹介します。
南向きの家の日当たり
南向きは、日中に日が差し込む時間が長いことが特徴です。日中の間自宅で過ごす時間が長い方、洗濯の回数や量が多い方に向いています。
メリット
- 朝から夕方まで1日を通して日当たりがよい
- 日の当たる時間が長いため、洗濯物が乾きやすい
- 照明・暖房の使用を減らし光熱費を抑えられる
- 湿気がこもりにくくカビが生えにくい
デメリット
- 日差しによってフローリングや家具が日焼けしやすい
- 夏場は夜まで暑くなりやすい
- 家賃や住宅価格が高めに設定されている
洗濯物が乾きやすく、照明や暖房の光熱費を抑えられるといったメリットがある反面、夏場は日差しが強くなるため熱くなりやすく、日よけや家具の日焼け対策が必要です。
また、そのほかの方角と比較して、家賃や住宅価格が高めに設定されている傾向があります。
東向きの家の日当たり
東向きの家は、日の出から午前中までの時間帯に日当たりがよくなるのが特徴です。朝早くから行動する朝型タイプの方や夏の暑さを極力避けたい方、午後に家で過ごすことが少ない方に向いています。
メリット
- 朝日で気持ちよく起きられる
- 午前中は日当たりがよく洗濯物が乾きやすい
- 午後から夕方は直射日光が入りにくく、夏場は涼しく過ごせる
デメリット
- 午後から部屋が暗くなりやすい
- 午後から夕方の直射日光が入りにくく、夜は冷えやすい
東向きは、南向きほど長時間の日当たりのよさは得られないものの、午前中の日当たりがよく、朝を快適に迎えられる魅力があります。ただし、午後からは部屋が暗くなりやすいため、光を取り込める窓の工夫、断熱や防寒対策が求められます。
西向きの家の日当たり
西向きの家は、午前中は日差しが入りにくいですが、夕方に日当たりがよくなるのが特徴です。日中は家にいない方や夜型タイプの方に向いています。
メリット
- 夕方の日差しがよくなり、夜も部屋が暖かくなりやすい
- 午後からでも洗濯物を干せる
- きれいな夕日を楽しめる
デメリット
- 午前中や天気の悪い日は暗くなりやすい
- 西日の直射日光で家具やフローリングが日焼けしやすい
- 熱気がこもるため夏場は暑くなりやすい
午後から日光が入り始める西向きは、洗濯物を午後から干せるほか、夜間も暖かく過ごしやすいという利点があります。
ただし、西日によって家具が日焼けする可能性があります。夏場は強い西日によって部屋に熱がこもりやすいため、日差しのカットや通風、換気などの暑さ対策も求められます。
北向きの家の日当たり
日中を通して日当たりが悪いのが北向きです。日中は家にいない方や夏を快適に過ごしたい方、室内干しタイプの方に向いています。
メリット
- 室温が上がりにくいため、夏場は快適に過ごしやすい
- 家具やフローリングが日焼けしにくい
- 家賃相場や住宅価格が低めに設定されている
デメリット
- 冬場は寒くなりやすい
- 1年を通して日当たりが悪く、日中も室内が暗くなりやすい
- 洗濯物が乾きにくい
- 湿気がこもりやすくカビが生えやすい
敬遠されがちな北向きの家ですが、夏場は涼しく過ごしやすく、家賃や住宅価格も南向きと比較すると低めに設定されている傾向があります。
しかし、日差しが入りにくいことで室内が暗くなるため、洗濯物が乾きにくい、カビが生えやすいといった点については対策が必要です。日差しや通風を確保するための窓や換気システムの導入なども検討する必要があります。
日当たりを改善するポイント
日当たりのよさは方角によって左右されますが、窓やブラインド・カーテンなどの工夫によって改善できる場合もあります。
①部屋を明るくしたい場合
日差しが入らない部屋を明るくしたい場合は、暗くなりやすい部屋に高窓や天窓を設置してみてはいかがでしょうか。
高い位置から差し込む光を取り込めるため、部屋の広範囲に光が広がりやすくなります。なかでも、頭上から光を取り込める天窓は、季節や時間帯に影響されにくく、安定した採光を得られます。
天窓と高窓の違いについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
>>関連記事『高窓と天窓の違いは? 光を取り込む高窓のメリットと活用方法』
②直射日光を和らげたい場合
家具やフローリングの日焼けやまぶしさが気になる場合は、直射日光を遮るための対策も必要です。日差しが強くなる時間帯や時期に応じて、ブラインド・カーテンで日差しを和らげましょう。
室内に入ってくる日差しの強さや日当たりの加減によってブラインド・カーテンの透過性・遮光性などの素材を選ぶのがポイントです。
周辺環境や間取りも日当たりに影響する
家の日当たりのよさには、方角だけでなく周辺環境や間取りも影響します。住宅密集地に建てられた家、縦長の間取りでは、南向きでも日差しが部屋の奥まで届きにくくなることがあります。部屋の用途や配置を決めるときは、周辺環境や間取りによる日当たりのよさを考慮することも重要です。
▼周辺環境や日当たりを考慮した部屋の配置例
- 日中の長い時間を過ごすリビングは北向きを避ける
- 南向きで目の前に高層マンションが建って日差しが入らない場合は、リビングの方角を西や東向きに変える
- 日差しをあまり必要としない書斎や寝室を北向きに配置する
なお、周辺環境や間取りの関係上、窓を工夫しても採光を得られない場合、光ダクトの活用も有効です。屋上や壁面から取り入れた自然光を室内のダクト(管)を通して目的の部屋に届けられます。
窓から十分な採光を得られない場所、窓を設置できない場所なども明るくできるため、日当たりの悪い家で日差しを取り込むための手段として検討してみてはいかがでしょうか。
>>日当たりの悪い旗竿地でも光ダクトで明るいお部屋を作った事例はこちら
まとめ
日当たりが良好とされる南向きの家ですが、住む人のライフスタイルや暮らしの条件によって適した方角は異なります。
採光・通風のために天窓や高窓を取り入れる、日差しが気になる場合はカーテン・ブラインドを設置するといった方法で、部屋に入る採光を調節することも可能です。
新築や改築を検討中の方は、周辺環境や間取りによる日当たりも考慮しながら部屋の用途を決めることが大切です。