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採光(さいこう)とは? 建築基準法上の規制と日当たりで解説


新築住宅を考えるとき、何気なく「採光」という言葉を使っていませんか?


実は、一般の方が考える「採光」と住宅関係のお仕事をしている方の「採光」には違いがあり、正しい共通認識ができなければ、イメージ通りの住宅ができないかもしれません。


今回は、誤解が生じやすい「採光」という言葉について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.採光(さいこう)とは?
    1. 1.1.建築基準法で使われる採光
    2. 1.2.日当たりで使われる採光
    3. 1.3.採光という言葉のあいまいさ
  2. 2.間違いやすい採光に関するあれこれ
    1. 2.1.「採光(面積)が取れている」=「日当たりが良い」ではない!
    2. 2.2.窓の方位と遮蔽物は、建築基準法上の規制とは無関係
    3. 2.3.「採光○○」という製品は、それぞれ意味や効果が異なる
    4. 2.4.光ダクトは建築基準法上の採光になる? 
  3. 3.まとめ



採光(さいこう)とは?


採光に関するイメージ画像


「採光」という言葉は、建築基準法と日当たり、二つの場面で使われています。まずはそれぞれの意味についてご説明します。


建築基準法で使われる採光

建築基準法で「採光」というと、第28条「居室の採光及び換気」のことを指します。

建築基準法によると、住宅におけるリビングや寝室、あるいは、学校の教室など、人が長時間過ごす居室においては、居室の床面積に対して一定の面積の「採光のための窓その他の開口部」を設けなければならない、とされています。


リビングやダイニング、キッチン、寝室などの間取りを設計する際には、それぞれの床面積に対して窓の面積(採光面積)を計算しなければなりません。建築基準法に適合した設計をしなければ、確認申請が認められず、住宅を建てることができません。

そのため、住宅の設計担当者にとっては、建築基準法の規制で用いられる「採光」になじみがあるのです。


日当たりで使われる採光

建築や設計を仕事にしている方を除き、一般的に日当たりの良し悪しで「採光」という言葉が用いられています。


「採光が悪い」、「採光条件を良くする」といった使われ方をしますが、これは光の量や明るさについての大小を評価した言葉です。


屋外の自然光を取り込むための窓を意味する「採光窓」というように、窓は光を取り込むもの、という認識が強く、日当たりの良さを求めているのです。


採光という言葉のあいまいさ

このように、「採光」という言葉の定義は非常にあいまいです。

そのため住宅を建てる際に、一般の方が設計者と話をすると、日当たりによる明るさの話が十分に伝わらない、といったことが起こってしまいます。


まずは、採光という言葉は、2つの意味があるということを認識しなければなりません。



間違いやすい採光に関するあれこれ


間違いやすいことのイメージ画像


一般的に使われるのは日当たりに関する採光ですので、日当たりを基準にして間違いやすい内容を整理してみましょう。


「採光(面積)が取れている」=「日当たりが良い」ではない!

最も重要なことは、建築基準法の規制による採光をクリアしても、日当たりが良いとは限らないということです。

お住まいの住宅でリビングや寝室の日当たりが悪いとしても、建築基準法上の採光は確保されているはずですので、違法ということにはなりません。


建築基準法での採光規制は、安全面や衛生面を考慮した最低限の明るさが確保できているかどうか、を確認する規制です。

窓が大きい方が、光の取り込み量は増えますので明るくなりますが、太陽の直射光がどの時間で入るかどうかはわかりません。


日当たりについては、建築基準法上の採光規制とは別に考える必要があります。


窓の方位と遮蔽物は、建築基準法上の規制とは無関係

日当たりを意味する採光は、立地条件に大きく影響します。


最も大きく影響するのが窓の方位です。

窓が南に向いている場合には日当たりが良く、逆に北向きの場合には日当たりが悪くなります。東向きや西向きは、日当たりの良い時間帯が限られ、東向きは朝から昼にかけて、西向きは昼から夕方にかけて日当たりが良くなります。

ここに、遮蔽物の影響が加わります。

太陽と窓の間に、隣家や樹木などの遮蔽物があることで、太陽の日差しが遮られて陰になってしまいます。住宅密集地では、三方が隣家に囲まれているような土地もめずらしくありません。


窓の方位と遮蔽物は日当たりを左右する要因ですが、建築基準法上の採光ではこの2つの要素は加味されません。

窓の大きさと隣地境界線からの距離や軒の出など、敷地と住宅の関係によって合否が決まります。


隣地境界線のすぐ近くに隣家が建っていたとしても、建築基準法上の採光には全く関係がなく、日当たりは悪くても適法になるのです。


「採光○○」という製品は、それぞれ意味や効果が異なる

最近、多くの「採光○○」という名称やキャッチコピーで、室内を明るくする製品が販売されるようになってきました。

ですが、採光をその機能はさまざまで、間違った使い方をすると効果が得られない、ということも起こってしまいます。


・採光(レース)カーテン、採光ブラインド

窓の内側に取付けることで、太陽の直射光を拡散させてお部屋の奥まで均一に光が届くような機能を持った製品です。

太陽の直射光は局所的に明るくなりすぎてしまいますので、拡散させることでお部屋全体が明るくなるように感じます。


十分に光が入る窓につける製品で、もともと暗い窓では効果がありませんので注意が必要です。


・採光カーポート、採光フェンス

本来、光を透過しないために影が出来てしまうところに、透過性のプラスチックなどの素材を用いることで光を取り込む製品です。

カーポートの屋根やフェンスなど、外構関係の製品に多いです。


窓の正面にあるフェンスに採光性の製品を使用すると、窓に入る光が増えますので、室内の日当たりを改善する効果があります。


・採光装置

太陽光を追尾するような製品や光ダクトのような製品を採光装置と大きくくくって言います。太陽光照明とも呼ばれます。

採光装置でも、日当たりの良いところから光を積極的に取り込むような製品と、窓から入る光を暗い部屋へ届けるような製品があります。


こちらも、製品ごとに特性が大きく変わっていますので、ご使用の際には目的に合ったものを選択する必要があります。


>>関連記事『太陽光照明とは?その仕組みと現在販売されている4つの製品の違いを比較』


光ダクトは建築基準法上の採光になる? 

結論から言うと、ケースバイケースです。

光ダクトとは、簡単に言うと内面が鏡状の管(ダクト)のことで、日当たりの良い窓の光を鏡の反射を利用して暗いお部屋へ光を届けるシステムです。


建築基準法上の採光は、明るさだけを求めるものではありません。光ダクトで光だけを届けても窓とならないので、本質的には採光に認められません。

ですが、例えば天窓に短い光ダクトをつけて効率を上げるような使い方では、ほぼ窓と同じとみなすことができるという理由で認められる場合もあります。


採光システム協議会では光ダクトを建築基準法上の採光面積として認められるよう申請を行い、現在その審査中です。今後、光ダクトの普及とともに認められるケースも増えるかもしれません。



まとめ


なかなかわかりにくい「採光」ですが、日当たりとしっかり区別して使った方が、間違いが起こらず、より明るい住宅とすることができます。

採光製品も住宅を明るくするお手伝いができる製品ですので、設計時に検討してみてはいかがでしょうか。





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