最近、少しずつ知られ始めた「光ダクト」ですが、具体的にどのようなものか、まだご存じない方も多いのではないでしょうか?
調べてみると非常に簡単な仕組みですので
「これなら自作できるのでは? 」
と考えた方も多いはず。
そこで、光ダクトに適した素材や構造について、光ダクトメーカーの東洋鋼鈑が光ダクトに適する素材の選び方や明るくするための構造をつくる基本的な考え方についてお教えします。
光ダクトとは?
光ダクトは、簡単に言うと「内面が鏡になった筒」です。
場合によっては、四方の壁が光ダクトの役割をする場合もありますので、広い意味では筒状の構造ともいえます。
当然、光ダクトで光が生まれるわけではありません。
光ダクトの光は、天窓や壁窓などの採光部から自然光を採光します。
その天窓や壁窓の光を窓周辺ではなく、少し離れたところに光を伝えるために光ダクトを利用します。
そして、光がほしい箇所で光らせる放光部を設けて明るくする、といった構造となっています。
構造的には非常にシンプルでアナログであるため、耐久性や取付けやすさなどを気にしなければ自作することも可能です。
光ダクトに必要な素材とは?
光ダクトで重要なことは、光ダクトに使用する材質の表面の反射特性、とくに「正反射」あるいは「鏡面反射」といわれる物性ができるだけ高いこと、です。
物質が光を反射する全反射率、そのうち鏡のように反対側の特定方向のみの反射成分を正反射率といいます。
全反射率が高くても正反射率が低い場合には、ダクト中で光がいろいろな方向に反射されてしまうため、光が放光部から出ていく量としては少なくなってしまいます。
壁紙として利用されるビニルクロスの白い色のものは、全反射率こそ70%以上ですが、正反射率はほぼ0%程度です。
一方、代表的な正反射材は鏡ですが、鏡の正反射率は80%~85%程度です。
この場合ですと、鏡は光ダクトに適していて、ビニルクロスは光ダクトに適さない、ことになります。
安価に自作する場合には、光沢のあるアルミニウム箔がお勧めです。
比較的手に入りやすく、正反射率が80%程度の製品もなかにはあります。
光ダクトの自作を考え、上手に壁などに貼りつければ、短期間であれば光ダクトとして使うこともできます。
光ダクトの光量を維持するための構造とは?
自作する場合には、貼り付けるのか、素材自体を加工するのかによって、作りやすい形状は異なります。
光ダクトの機能は、光を反射させることですので、角型でも丸型、その他の形状でも基本的には問題ありません。
ダクトの大きさに関しては、必要な光量によって異なりますが、より太いダクトにした方が効果的です。
どのような材質でも反射率が100%ではないため、1回反射するごとに光の量は減っていきます。
そのため、反射による光の減衰をできるだけ少なくするには、反射回数を減らすような構造、つまりより大きなダクト幅が必要となるのです。
ダクトを曲げることもできますが、光はまっすぐにしか進まないため、曲げた箇所で反射が多くなってしまい、場合によっては曲げた箇所のダクトの角度と光の角度の条件により、光が入った方向へもどってしまうこともあります。
できるだけ、曲げるような構造は少ない方が望ましいです。
その他で気にしなければならないのは、材料劣化や汚れによる性能低下で、最も顕著であるのは埃の体積による反射率の低下です。
基本的に室内に設置する前提の光ダクトでは、雨風にさらされることはないが、室内でも埃は堆積してしまいます。
垂直にダクトを作る場合にはそれほど問題にならないが、水平にダクトを置くような場合には、埃がたまらない、あるいは、たまってもメンテナンスできるように工夫する必要となります。
光ダクトによる日当たり改善をご検討の方は、鋼鈑商事の日当たりシミュレーション「どこでも光窓 導入提案サービス」をご検討ください。
鋼鈑商事の光ダクト「どこでも光窓」
鋼鈑商事の光ダクト「どこでも光窓」は、自作することは少々難しいですが、下記のようなメリットがあります。
正反射率90%以上で、鏡よりも反射性能が高い
ダクト形状で複雑な形状にも対応
住宅の構造部にシッカリと固定し、落下の心配なし
透明アクリル板でダクトを塞ぎ、内部に埃が入らない
前述の注意点をカバーするような製品設計で、住宅の設計に組み込めるような建材製品となっています。
また、自作のものと異なり、事前に光量を計算できます。
自作するにしても、正反射率が高い素材は比較的高価ですし、しっかりと取付ける場合にはそれなりに費用も掛かってきます。
せっかく光ダクトをつくるなら、十分に明るさが取れるように設計しましょう。
光ダクトの形状によらず、自作に関してもアドバイスできますので是非ご相談ください。
まとめ
なかなか自作することは難しい光ダクトですが、構造自体はシンプルですので、DIYなどが得意な方は素材を買って作ってみることもできます。
光ダクトを入れてから暗いとならないように注意して作ってみましょう。