「どこでも光窓」に対する専門家の意見をご紹介するPro's Eye。
今回は、建築家の若原一貴さん。
若原さんには、「どこでも光窓」を取り入れる利点や住まいづくりで大切にしている流儀などについて語っていただきました。
若原 一貴 プロフィール
若原アトリエ 代表/一級建築士 日本大学芸術学部卒業。横河設計工房へ入社し「余白の家」及び「環境科学国際センター」を担当。2000年株式会社 若原アトリエ設立。2019年日本大学芸術学部准教授、エコハウス研究会理事就任。
2003年中国南京にて国際設計コンペ最優秀デザイン賞、2008年日本木材青壮年団体連合会主催第11回 木材活用コンクール部門賞(第一部門)、2012年『hope&homeアワード』受賞、2017年第34回『住まいのリフォームコンクール優秀賞』等、受賞多数。
「光の明暗」を考えることで住まいは居心地よく
東京都内で戸建住宅を中心に活躍する建築家の若原一貴さん。都心部などでは土地代が高いことから、狭い敷地で設計することも多いそうです。
「私が手がけている住宅は、ほとんどが建坪10坪(約33m2)前後で、平面的にゆとりがありません。そのため、立体的に間取りを考え、大きな空間を光の明暗や素材の切り替えによって区切ることで、ゆとりのある空間をつくっています」
小さくても豊かに暮らせる住まいとなるよう、さまざまな工夫を凝らし、窓の数も通常の住宅よりも窓が少なく設計しているとのこと。
「心地よい空間をつくるためには『光の明暗』が必要です。あちこちに窓を設けると、明るさが均一で、かわり映えのしない空間になってしまう。
開口部を絞り、大きな壁面をとることで、明るさに変化をつくり、過ごす場所を選べるようになるのです」
電気を点けなくても十分な明るさが
「日野の家」では、ダイニングと和室をゆるやかに仕切るため室内に配置した観葉植物へ、自然の光が届くように「どこでも光窓」を採用していただきました。
「“癒し”の有効なアイテムである植物の緑を、シンプルな空間に置くような設計をしてみたいと考えており、『日野の家』でそれが実現しました。
観葉植物を置きたいというのは建主の希望でしたが、立地による日当たりの悪さや植物への生育への影響などの課題があった。
『どこでも光窓』を採用したことで、この課題を解決でき、明るいダイニングと暗めの和室が植物で仕切られた、非常にいい空間になりました」
「日野の家」の明るさは、見学に来られた方々にとっても印象的だったようです。
「玄関から入って、まず目に入るのが『どこでも光窓』の光と植物なので、インパクトは非常に大きかったですね。
見学イベントを何回か行いましたが、電気を点けなくても十分な明るさが確保できていることに、みなさん驚いていました」
住宅の明るさを大切にしている若原さんから、「どこでも光窓」の新しい利用方法をお教えいただきました。ありがとうございました。